『ゲームの予習(ラットレース編)』


 

 
さぁゲームの始まりです!

ラットレースでは一回につき1個のサイコロを振ります。

サイコロはゲーム開始時に決まった一番最初に投げる人から順番に時計回りで進んでいきます。

出た目の数に従ってラットレースの上を進んでいきます。

止まったマスに応じてカードを一枚引きます。

カードに書かれた内容の指示に従い、取引の有無などを自分の意思で決定しゲームを進めていきます。

ラットレースを回ることによって給料をもらえるタイミングがあり、

そこで得た資金を元に不労所得作りにチャレンジしていってもらいます。


それではまず、キャッシュフローゲーの中に出てくる出来事(マス)について説明します。

ラットレースのマスは全部で7種類ありますので、順を追ってみていきます。




■ Pay Check (チャリティ、給料日)

 
まず最初に覚えておきたいマスです。

ラットレースのマスの中の黄色のマスがそれにあたりますが、

これは「お給料日」です。

その為このマスに止まるかここを通過する度に給料をもらうことが出来ます。

本来であれば、財務諸表の給料の額をお支払いするべきかもしれませんが、

あらかじめ毎月の生活費の合計金額が分かっている状況の為、

それを差し引いた額「毎月のキャッシュフロー」を銀行から受け取ります。

もし、ここの金額がマイナスの時は、その金額を銀行に支払います。

ゲームの中では、Pay Checkのマスから次のPay Checkのマスまでが1ヶ月間となります。

Pay Checkに止まるか通り過ぎたタイミングで、

必ず銀行役に「ペイチェック○○ドルお願いします。」と銀行に申告して下さい。

もし申告を忘れてしまい次の人がサイコロを振るとお給料はもらうことが出来なくなってしまいます!


★なぜ申告しないとPay Checkをもらえないのか?

通常、サラリーマンとして働いていたら、

会社に「給料をください」と言わなくても、期日になると必ず銀行口座に振り込まれるケースが多いと思います。

しかし、キャッシュフローゲームではそうではないのです。

何故かというと『お金の出入りにしっかりとアンテナを張って欲しいから』です。

これはお金のゲームであり、投資のゲームです。

その時に、ただ何と無くプレーをして気づいたら銀行口座お金が振り込まれていた、

というのではなく、「いつお金が入ってきて」「いつお金が出て行くのか」

それを把握しながら進めて欲しいのです。

アンテナを立てることによって見えてくるものがあるのです。


ちなみに、

ファーストトラックでもCashflowDayという同様の意味合いのマスがあります。

しかくここでは申告をしなくても、自動的にお金が入ってきます。

ファーストトラックに行ったということはファイナンシャルインテリジェンスを十分身につけているはずなので

もちろん、その点は意識しているのが当然だからです。




■ Opportunity (オポチュニティ、投資のチャンス)

 
このカードにはBigDeal(ビッグディール、大きな取引)と
 
SmallDeal(スモールディール、小さな取引)の2種類があります。

ラットレース脱出に向けた不労所得作りをするためのチャンスが各種用意されています。

このマスに止まったら、BigDealかSmallDealのいずれかのカードを1枚引くことができます。

SmallDealは頭金が5000ドル以下の物件、

BigDealは頭金で6000ドル以上の物件が入っています。

引いた人は、カードの内容を読み上げ、その内容がプレーヤー全員に分かるようにします。

カードの内容よってはその取引情報を自分で行使するのではなく、他のプレーヤー売ることができる場合があります。

情報はカードに売ってもよいと書いてある時に双方で交渉して価格を決め売買します。

カードを買ったプレーヤーはその場で、その資産をカードに指定された価格で買わなければなりません。

情報を売買するチャンスは、次のプレーヤーがサイコロを振った時点で消滅します。

プレーヤー同士がチームを組んで投資物件を買うことはできません。




■ TheMarket (マーケット、市場カード)

 
投資物件の買い手が見つかるカード。

またプレーヤーの経済状態に大きな影響を与えるような、

お金に関する出来事が記載されているカードもあります。

このマスに止まったら、TheMarketのカードを1枚引き、声に出して読みます。

カードに指定された資産を持っているプレーヤーは、その資産を指定された価格で売ることが可能です。

資産を売却した時は、ゲームシートを書き換えるのを忘れないようにしてください。

資産を売却したら、銀行から売却代金を受け取ります。

銀行は買い主に代わって支払いを行います。


■ Doodads (ドゥーダッズ、無駄使い)

 
買う予定のなかった品物や、不必要にお金を使うことです。

このマスに止まったら、Doodadsカードを引き、その指示に従います。

Doodadsは必ず実行しなければならず、選ぶことはできません。

代金の支払いの為に銀行からお金を借りることができます。




■ Charity (チャリティ、慈善事業への寄付)

 
このマスに止まったら総収入の10%を慈善事業に寄付すれば(銀行に支払います)

次から3回、 自分の番の時にサイコロを2個振ることが出来ます。

Charityをすることのメリットはサイコロを2個振れることによってコマの回りが速くなりPay Checkが早く来ることです。

ということは先にCharityでお金は出しますが、

Pay Checkを早く回れるのでその分お金が多く入ってくるのです。

金持ち父さん貧乏父さんの本にも紹介されていた「必要なものをまず与えよ」という言葉。

このゲームはお金(不労所得)をいかに稼ぐかがポイントです。

お金が欲しければ、先にお金を差し出すことによって、巡り巡って自分のところに返ってくるということを伝えたい、その想いが詰まったマスなのです。

尚、Charityをした場合は、

コインを自分の前に3枚出しておき、何回サイコロを2個振れるかの目印にします。

2個のサイコロを振る度にコインを1枚づつ減らしてきます。



■ Baby(ベイビー、子供が誕生)

 
子供が生まれました!

新しい家族の誕生です。

このマスに止まったら次のようにします。

①ゲームシートの子供の数を増やす(最高3人まで)。

② 支出の部の「育児費」に、所定の「子供一人あたりの育児費」を加算する。

③ 総支出に「子供一人あたりの育児費」を加算する。

④ 毎月のキャッシュフローから「子供ひとりあたりの育児費」を差し引く。

⑤ この時、ローカルルールで他のプレーヤーからご祝儀をもらう場合があります。



■ Downsized(ダウンサイズド、リストラ)

 
このマスに止まったら失業です!一時的に職を失うことになります。

総支出の全額を銀行に支払い、2回休みです。

サイコロ2回ふれば大体Pay CheckからPay Checkを通り抜けることが出来る為、

感覚としては失業した後一か月間求職活動をしている状態です。

2回休んだ後は、今までと同じ職業で再出発。

面白い傾向として、ゲームのプレイ中にこのDownsizedのマスに止まりたくないと意識すればするほど、なぜか止まってしまうことが多くあります。

人はプラスであれマイナスなことであれ意識を向けると、不思議とその通りになっていくものだということがわかります。

(ちなみにこのマスに止まるとCharityをしていた場合、Charityの効力も同時に消滅します。)





次に、ラットレースで選択出来ることについて解説します。

■銀行ローン

 
プレーヤーは破産を宣告されていないかぎり、銀行からお金を借りることができます。

ローンは1000ドル単位でいくらでも借りることができます。

1ヶ月(Paycheckごと)の利子は10%です。年利だと120%という超高金利ですが・・・

(例:1000ドル借りると毎月の銀行ローンの支払いは100ドルになります。)

銀行からお金を借りた人は以下のようにします。

① 借りたお金を銀行から受け取る。

② 貸借対照表の負債の部にある借入金の額を書き直す。

③ 損益計算書上の関係する支出の額を書き直す。

④ 総支出の額を書き直す。

⑤ 毎月のキャッシュフローの額を書き直す。

⑥ ゲームシートを監査役にチェックしてもらう。

 

■借金の返済

 
自分の番になったら、借入金を返済して総支出を減らすことができます。

銀行ローン以外は、全額を一括で返済しなければなりません。

※税金、その他の支出、育児費は返済できません。最後まで支出として残ります。

借金を返済したら次のようにします。

貸借対照表の負債の部にある借入金の額を消すか書き直す。

① 損益計算書上の関係する支出の額を書き直す。

②総支出の額を書き直す。

③毎月のキャッシュフローの額を書き直す。

④ゲームシートを監査役にチェックしてもらう。

銀行ローンは1000ドル単位返済することが出来ます。

銀行ローンを1000ドル返す毎に銀行ローンの支払いは100ドル減ることになります。

銀行ローンの一部を返済した場合、貸借対照表の銀行ローンの数字、損益計算書の関係する支出額を書き直すのを忘れないように注意して下さい。


■破産

 
Paycheckの額がマイナスになっていたら、Paycheckのマスに止まった時に、その額を銀行に支払わなくてはなりません。

その金額を支払うだけの手持ちの現金がない場合に破産になります。

破産を宣言したら次のようにします。

①資産を頭金の2分の1の価格で銀行に売る。資産は何件売ってもかまわない。

②上の『①』の売却代金で借金を返済し、収入が支出を上回るようにする。
(毎月のキャッシュフローがプラスになるようにする。)

③3回休む。

資産を全部売ってもまだ毎月のキャッシュフローがマイナスの時は、

車のローン、クレジットカードローン、小売店のつけのそれぞれ半額が帳消しになります。

それらの毎月の支払いも2分の1が帳消しになります。住宅ローンと教育ローンはそのまま残ります。

それでもまだ毎月のキャッシュフローがマイナスの時は、ゲームから公式に抜けることになります。




これらの様々な出来事の中で、しっかりとした不労所得を作り出してください。

そして、毎月々の不労所得が総支出(生活費の合計額)を上回ると、

ラットレースを脱出しファーストトラック(お金持ちの世界)に移ることができます。